日記
流すだけでOK!おうちでできる音楽鑑賞リスト~演奏だけじゃない音楽教育~
こんにちは、氷川台のピアノ教室 BLOOM講師の藤田です。
日々のレッスンの中で、同じように練習を重ねていても、 音楽の感じ方や表現の広がりに違いが生まれることがあります。
これは能力の差ではなく、これまでの音楽体験の積み重ねによるものかもしれません。
また、音楽は「あ!この曲知ってる!」と、知っている曲が増えるほど楽しくなります。
そこで今回、ご家庭で無理なく取り入れられる音楽鑑賞リストをご紹介いたします。
📖【目次】
音楽鑑賞したい・させてあげたいのだけれど…
「音楽鑑賞が大切なのはわかるけれど、何を聴けばいいのかわからない」
「家で流してあげたいけれど、どんな曲を選べばいいの?」
「正直、選曲が大変…」
このようなお声をいただくことがありました。
音楽に触れる機会がレッスンや練習時間に限られてしまい、 聴く経験を増やしたいと思っていても、なかなか実践できないこともあるかと思います。
その結果、演奏技術は身についても、
・知っている曲が少ない
・弾いてみたい曲が見つからない
・音楽のイメージが持ちにくい
といった状態につながることがあります。
鑑賞するにあたっては、特別に時間をとらなくても、日常の中で自然に触れていくことができます。
ご家庭でできる音楽の取り入れ方
日常生活の中で自然に音楽に触れる環境づくりとして、 時代別(バロック・古典・ロマン・近現代)やジャンル別の再生リストをご用意しました。
・寝る前に
・食事の時間に
・車での移動中に
このような場面でBGMとして流すだけで、 無理なく鑑賞の経験を積み重ねることができます。
特に、時代ごとの音の違いに触れることで、 曲のイメージを持ちやすくなり、より深い音楽理解へとつながります。
しっかり聴かせようとしなくて大丈夫です。
まずは気軽に流してみることから始めてみてください。
こんな姿を目指して
音楽を日常的に聴くことで、知っている曲が少しずつ増えていきます。
音楽が練習するものから楽しむものへと変わっていくことが理想です。
すると、
・曲の雰囲気を感じ取れるようになる
・演奏に表情が出てくる
・音楽を楽しむ気持ちが育つ
・練習への意欲が高まる
・音楽そのものへの興味が広がる
といった変化が期待できます。
目指しているのは、音楽が家具のように自然と生活に溶け込んでいる状態です。
また、曲を聴いて、「なんかいいね」「きれいだね」など、 自然と感想が出てくるようになったら、この取り組みは大成功です。
🎧 おすすめ再生リスト
気になるものから、ぜひご家庭で流してみてください。
おわりに
音楽を聴く耳や感性は、日常の中で触れることで自然に育っていきます。
まずは気軽に、流すことから始めてみてください。
その積み重ねが、「知っている」「好き」が増える大きな一歩になります。
音楽療法ってなに?
こんにちは、氷川台のピアノ教室 BLOOM講師の藤田(大谷)です。
まだまだ社会的に認知度の低い音楽療法。
英国の音楽療法の設立者、ジュリエット・アルヴァンは、「音楽療法は音楽の機能であって音楽そのものを目的としていない。」(「音楽療法」序文より)と述べています。
面白く、的を射た表現ですが、つまりどういうこと???ということで、今回のコラムは、音楽療法が実際どんなもので、どんなことを行っているの?というお話です。
【目次】
*はじめに
発達障害は、今でこそ周知されるようになりましたが、ほんの十年前はちょっと変わった子との認識で、対応もいい加減な部分が多かったように思います。
当時ちょうど中高生だった私は、周りの友人が発達障害による軋轢に苦慮しているところをたくさん見てきました。
得意な音楽の分野で何か人のためになりたい!と音楽療法に興味を持ったのですが、認知度の低さや就職の難しさにより進路希望で断念…。
しかし、社会人になってから、やっぱり、改めて音楽療法士の道を歩みたい!と決意したのです。
*音楽療法ってなに?
「音楽療法って、音楽の力で癒すとかそういう感じ???」 恐らく、皆さんの想像するそれとは少しずれがあるかもしれません。
日本音楽療法学会の定義では「音楽のもつ生理的、心理的、社会的働きを用いて、心身の障害の回復、機能の維持改善、生活の質の向上、行動の変容などに向けて、音楽を意図的、計画的に使用すること」(日本音楽療法学会:公式サイト (jmta.jp))となっています。
確かにかつては加持祈祷の一部として音楽も機能していました。
しかし、現代の音楽療法はエビデンスや化学的知見に基づいて、治療的に用いられています。
以下に例を挙げてみます。
・高齢者領域…”老い”や認知症の予防、生活機能の向上、機能維持や生きがいの提供
・リハビリ…生理的機能回復や代償能力の開発といった医学的な療法、職業能力の回復と向上・社会生活の向上・精神療法といった社会的・教育的・心理的なリハビリ
・精神科領域…音楽の心理的作用によって精神症状の緩和を計ったり、現実感覚の回復と保持を助けたりする、自己表現の体験、社会適応の経験
・緩和ケア…不快感の軽減やリラクゼーションの手段として、言葉による表現・自分自身との対話の手助け、思い出作り
*児童領域では
では、子どもを対象とした場合どのようなことを行うのでしょうか?
社会的な行動の促進、発散やコミュニケーション能力の向上、運動機能の促進、自己表現力や想像力の向上、発声・発語の促し…などを目的とすることが多いです。
音楽を使って自然と身体を動かすというところでいえばリトミックと似ていますが、 音楽的・非認知能力を伸ばす教育的なリトミックに対し、対象者を評価(何ができなくて、何に困っているのか)し、生きにくさ軽減に向けセラピー・カウンセリングのような位置づけで目標達成のためアプローチしていくのが音楽療法です。
実習で初めて音楽療法を見学したときは、魔法みたい!と思いました。
日本でも、海外のように国家資格にしたらいいのに!とも…(日本では民間資格です。)
「こうしなさい、ああしなさい」と言わずとも、知らず知らずのうちに自発的な行動の改善がなされるのです。
「音楽とは何か」を知るために音大に入った私にとって、芸術でもあり教育の手段でもあり療法の手段でもある音楽に改めて魅了される思いでした。
*実際に行なっていることと効果
さて、では実際の活動についてお話します。
現在、発達障害のお子さんが在籍する放課後等デイサービスで音楽活動プログラムを行っています。
それぞれの目標にアプローチできるようプログラムを組み、会話の方法や感覚の違いにも配慮しながらセッションを行います。
以下は今までに達成できたことの一例です。
・集団行動に参加できなかった子→好きな曲を扱い、参加を誘発。離席せずにいられるようになりました。
・失敗体験を積んでしまっているためか自信がなく、一人で行動できない子→友達との席を離して参加させた上で、興味を惹く楽器を扱い、”挑戦すること”を誘発。徐々に自信を得て、一人でみんなのお手本としての演奏も可能になりました。
・知的障害中等度の子→「〇〇(曲名)、弾いて」(2語文)でなく、「〇〇を弾いてください!」(3語文)と自らアプローチできるようになりました。
・自傷・他害行為により生活環境への著しい不適応行動を起こす”強度行動障害”の子→徐々に、新しい参加者と協同し、優しく教えることができるようになりました。
*おわりに
実は音楽療法的アプローチは、定型発達児にも効果的です。
理由や効果的方法を探りながら、段階を踏んで目標達成に向かうからです。
しかも、子どもにとってわかりやすいアプローチをとるという配慮も行っています。
また、「うちの子落ち着きがなくて…/ちょっと個性的で…/人見知りが気になっていて…」とおっしゃる保護者様、それぞれ困った子とは思いません。
行動・表出には大抵理由があり、短所と思っている個性にも裏返しの長所が隠れていて捉え方を変えられたり、対応や言葉がけ次第で変化が表れたりすることがあります。
ピアノレッスンや音楽療法を通して、保護者様のお悩みを伺いながら、少しずつ困難を解決したりしていくお手伝いができればうれしく感じます。
