日記
練習を習慣化するための3ステップ
練習を習慣化するための3ステップ
こんにちは、BLOOMピアノ教室 講師の大谷麻理子です。
ピアノを習うにあたって、練習の習慣化は切っても切り離せない関係です。 できているか、いないかでは大きな差が出てしまうため、習い始めと同時に取り組みましょう!
【目次】
・はじめに
・習慣化の3ステップ
・具体的な方法
・よくあるお悩みと解決方法
・さいごに
*はじめに
ピアノは、レッスン当日だけの練習で上達するのは難しく、自宅での練習が必須の習い事です。
よくあるお悩みとして、「うちの子、練習が嫌いなんです」「練習しないんです」「取り組むまでが長くて…」というお話を聞きます。
練習なしでレッスンにきても、ある程度は上達するかもしれませんが、せっかく習うのなら、“習慣化”することの強みも身に着け、今後の人生に生かせるようにしてみませんか?
今回の記事では、発達心理学者・児童心理学者であるピアジェの「認知発達理論」と「発達段階説」や、モンテッソーリ教育に基づいた内容をお届けします。
習慣化ができている子は、以下のようなメリットを得られます。
・継続力があり、すぐに諦めない
・努力ができる
・小さな壁はすぐ乗り越えられる
・自信や自己肯定感が高まる
・有意義なレッスンが受けられる
・勉強の習慣化にも役立つ
*習慣化の3ステップ
ピアノを習い始めると同時に習慣化してしまうのがおすすめ!
どんなことでもそうですが、いきなり長時間頑張らず、継続を目標にします。
ステップ1. 始めたて1か月
まずは小さい課題=ピアノの前に座ることから始めましょう 始めたてはやる気があるため、そのモチベーションを糧に練習します。
ステップ2. 2~3か月
そろそろモチベーションも落ち着いてこようかという頃合い。5~10分といった短時間から練習を習慣化します。
ステップ3. 3か月~6か月
しっかり定着させましょう。以後、練習の内容や練習時間の見直しをすると良いですね!
慌てず焦らずコツコツが大事です。 小学校中~高学年くらいで自発的に練習ができるようになっているのが理想的です。
*具体的な方法
さて、ここまで、習慣化の段階についてお話ししましたが、では具体的にどうやるの?というお話をします。
・秩序の敏感期を利用(6ヶ月〜4歳)
モンテッソーリは6ヶ月〜4歳の時期を秩序の敏感期と名付けました。
この頃のこどもは順番・時間・場所・習慣・所有物にこだわりを持ち、「いつもと同じ手順で」「いつもと同じことをする」のが大好き! この特性を活かして、子供がやるべき練習を習慣化してしまいましょう
おやつ→練習→テレビ→ごはん→お風呂、などと、順番と時間を固定するのがおすすめです。
・アニミズム思考に訴えかけ(2〜4歳)
ピアジェは幼児の認知特性としてのアニミズム(事物や事象のすべてを生命あるものとすること)の存在を主張しました。
「ピアノさんが○○ちゃんのこと呼んでるよ!」 「ピアノさんが一緒に遊びたいって!」 「ぬいぐるみさんが一緒にピアノを弾こうって!」と練習に誘ってみてあげてください。
・元々習慣化できている行動とセットにする。
「ご飯の前にやろうね」 「終わったらおやつにしようね」 「お風呂の前にやろうね」と元々習慣化できている行動とセットにして、 意識して取り組むべきもの、ではなく当たり前のようにピアノを触るもの、としましょう。
日々の生活に練習を取り入れていくことで特別なものとしないことが大切です。
・努力を可視化する①やることリストを作る
100均のおしたくボードでやることボードを作り、毎日のやることリストを作ってあげましょう。
「ピアノがあるから遊べないんだ!ピアノやだ!」と言われる場合があります。
そういった場合は、遊ぶ時間に遊んで、しかしピアノの時間ももうけられるよう、学校から帰って寝るまでの間の時間割を作ってみましょう。
やるべきこととしたいことを紙に一緒に書き、時間を具体的に決めると良いですよ!
「やだー」、「めんどくさーい」には共感しつつ、じゃあ残りはお風呂入ってからやる?明日に回す?と、やる前提でやりやすいように提案します。
話し合い、自分で決めることで責任感も身に着けることができます。
・努力を可視化する②ご褒美シール
練習ができたらカレンダーやノートにシールを貼り、たまったらご褒美という手も有効です!
ご褒美は話し合って決めるようにし、その日の気分によってあげ方がぶれることのないようにしましょう。
また、やらなかったからといって罰を与えるのもNGです。
自分の内側から出てくるやる気を内発的動機付け、ご褒美によりやる気が出ることを外発的動機付けといいます。
内発的動機付けに比べ、外発的動機付けはよくないといわれることもありますが、一概によくないわけではありません。
ご褒美がきっかけで始めたことでも、やっていくうちに子ども自身が練習は大事なものであると気付いたり、「面白いな」「もっと弾きたいな」と思えるようになったりすれば内発的な動機が生まれて結果的に良いご褒美になります。
ただし、元々好きで練習しているのに必要以上にご褒美をあげてしまうと逆効果なのでご注意ください。
*よくあるお悩みと解決方法
ここからはお悩み解決コーナーです。
・なかなか練習に取り組まない時
まずは環境を整えてみましょう。
ピアノの周りが散らかっていたり教本がすぐに出てこなかったり…そんな小さなことが練習をする気をなくす原因になってしまいます。
最小工程数で練習に取り掛かれる環境を作ってあげてください。
また、せっかく練習を始めても目にみえるところに興味を引くものがある、周囲の声や音がうるさくて集中できない、周りの人にみられてああだこうだいわれる、と、途中で集中力が途切れてしまいます。
テレビは消して漫画やゲームは違う部屋に置き、声をかけすぎないことも大切です。
ちなみに、小学生以下の子どもが自発的に練習しないのは普通のことです。 声をかけて練習を促してあげてみてください。
・練習が嫌いでやる気があるように見えない
地味な基礎練習、すんなり弾けない、コツコツ苦手な部分の反復練習…思っていたのと違う!という気持ちがあるかもしれません。
うちの子も練習さえすれば上手になるのに…と焦る気持ちが出てきてしまうかもしれません。
さらに、習い事にはお金がかかるのでどうしても親としては上達という結果を求めたくなってしまう気持ちもあることでしょう。
でも子供にとっては上達できていなくても楽しいと感じていることがあるかもしれません。 先生と過ごす時間が重要かもしれません。
せっかくピアノや音楽、そのお教室や先生が好きな気持ちがあるのならそれを大事に育て、もっと引き出してあげると良いでしょう。
そういった子供の真意を理解して応援してあげるとやる気も出るし継続もできます。
ピアノの他に好きなものがあれば、それと組み合わせると意欲が増すこともあるかもしれません。
好きなアニメの曲を弾きたい、というのがいい例ですね。
*さいごに・・・
親も子供も諦めないことが大事! 幼い子はどうしても保護者のご協力が必要です。
毎日は大変…というご家庭もあるかと思います。 まずは2〜3日の決まった曜日から取り組んで、一ヵ月と三か月の継続を目標にしていけると良いですね。
そして、小学校高学年では段々と自立していけるようにしていきましょう!
なぜピアノを習うのか、どんな未来を手に入れたいのか思い描き、長期目標と短期目標を作りながら、自己研鑽していけると理想的です。
音楽の道は継続力との戦いともいえるでしょう。 途中でやめるのは簡単です。
しかし、ピアノを習っていて後悔したという話は聞いたことがありません。
諦めなかった人だけが見られる素晴らしい視点を、是非体感して頂けたらいいなと思います。