日記
スラーってどう弾くの?
こんにちは!
ピアノ講師の石本真珠です。
今回は皆さんが一度は悩んだ経験のありそうな、スラーについてお話ししていこうと思います!
【目次】
はじめに
皆さんはスラーを知っていますか?
ピアノのレッスンでは必ずと言っていいほど耳にする言葉で、「音を繋げてなめらかに演奏するもの?」というイメージはあるかもしれません。
しかし、スラーを「繋げなきゃ!」「終わったら指上げなきゃ!」などと考え、意識して弾くのは難しい、という声をよく耳にします。
では、スラーをどのように弾けばいいのでしょうか?
また、音を繋げたり指を上げたりするのは何故でしょうか?
スラーとは
今回はスラーの弾き方を考えるために、まずスラーとは何かについてお話ししていきます。
その際に、言葉と音符を比較して考えてみましょう。
例えばこのような短い会話があったとします。
こんにちは。
ご機嫌いかが?
元気です。
これは「こんにちは。」「ご機嫌いかが?」「元気です。」がそれぞれ1つのまとまりになっています。
普段は無意識であってもこれらを一つのフレーズとして発語しているのではないでしょうか?
何の理由もなく「コンニチハゴキゲンイカガゲンキデス」と繋げて言ったり「コン ニ チハ…」と切って言ったりはしませんね。
つまり、言葉は「文字が集まってできたもので、意味のあるもの」と言うことができます。
次に、音符の場合を考えてみましょう。例えばこのような短い譜面があったとします。
この場合は「ドレミファソ」「レミファソラララ」「ソファミレド」がそれぞれ弧でくくられて、1つのまとまりになっていますね。
このまとまりをスラーと言います。
言葉と同様、「音符が集まってできたもので、意味のあるもの」なのです。
だからスラーのついた音は繋げなければならず、スラーが終わったら指を上げて切らなければならないのです。
スラーの弾き方
スラーとは何かお分かりいただけた後は、実際に演奏するときにどうすればいいかを考えていきましょう。
その際にヒントになりそうなことをいくつか挙げてみます。
1つのスラーの中で使える奏法
① 前乗り奏法
2音間にスラーがある場合、前の音をより大きく演奏する。
② クレッシェンド・デクレッシェンド奏法
一か所頂点になる音を決めて、それに向かってクレッシェンド、頂点を通り過ぎたらデクレッシェンドするように演奏する。
③ 最後短め奏法
スラーの最後の音を、楽譜のように短めに演奏する。
特に、次のスラーとの間に休符が無い時に使える奏法。
例えば、このような音型の場合は
このようにして演奏する。
ただ、この奏法では最後の音を強く弾いてしまいがち!
スラーの終わりの音を優しく弾くように意識してみましょう。
2つ以上のスラーを演奏する際に使える奏法
① 登り階段奏法
例のように同じような音型が2回以上続く際は、後のスラーをより盛り上げて演奏する。
② 歌ってみて考える
一旦ピアノから指を離し、スラーのついたメロディーを歌ってみましょう。
それから、歌った時のことを思い出してみてください。
スラーの中の音をどのように歌っていましたか?
また、スラーの間でどのようにブレスしましたか?
思い出せたら、そのように弾いてみましょう。
分からなければもう一度歌ってみるか、周りの人に歌ってもらいましょう。
以上を参考に、お手持ちの楽譜をご覧になってみてください。
そしてスラーのついた音符を探してみましょう。
どの奏法が使えそうでしょうか?
おわりに
今回はスラーについて考えていきました!
普段練習していると、どうしても音だけを追ってしまいがちです。
なぜスラーを繋げなければならないのか、スラー終わりに指を上げて切らなければならないのか、何となくお分かりいただけたでしょうか?
今後ピアノを演奏する際に楽譜にスラーが出てきたら、この記事のことを少し思い出していただけると嬉しいです!