日記

2023-12-20 12:57:00

譜読みのコツ

はじめに

 こんにちは、氷川台のピアノ教室 BLOOM講師の藤田です。

譜読みって、得意ですか?それともちょっと苦手?

実は、“楽譜を読む“って、複雑な要素が絡み合っていて、一度に全て把握することって意外と難しいんです!

一つ一つ紐解いていきましょう。

 

【目次】

譜読みとは

 “譜読み”とは、端的に言えば楽譜を読むことですが、要素として分解すると、

音高リズム記号を読む

構造を理解する(音型、フレーズ、形式、調性、拍子)

曲を一通り弾ける(姿勢、手のポジション確認、指番号の確認、テクニック面)

曲の雰囲気を掴む(和音分析、メロディパターンの分析、曲想)

これだけのことを行っています。

 

 例えば、英語の本を読むことを考えてみてください。

まず、アルファベットを学びます(①)。

それから単語を覚え(②)、文法(③)や慣用句(④)まで理解して初めて、内容の理解に至りますよね!

最終的には、楽譜から作品の音楽性を読み取り想像し(楽曲分析=アナリーゼ)、再現することが求められます。

しかし、音楽で使うこれら一つ一つの能力はバラバラの脳部位にあります。

なので、頑張っているのに、どうしてうまく弾けないの・・・?という時は練習不足やテクニック不足だけではない、様々な原因が考えられるんです。

 

譜読みに必要な能力

 それでは、実際に音高を例に細かく分解してみましょう!

例)音の高低が読みにくい場合

音名の順番(上行、下行)を理解しているか?→ミの上は?と抜き出して尋ねても、「えっと、ド、レ、ミ、ファ…だからファ!」と数えず答えられるのか?

ドレミファソラシドが循環していることを理解しているか?→他の音、レやミやファからでもそらで言えるか?

線と間の概念を理解し、音名を一つ飛ばしにしてもスラスラ言えるか?→ドミソシレファラド、と楽譜に書かれた音を一つ一つ数えずに読めるか?

音を鍵盤に落とし込めているか?→鍵盤を数えずに、どこの鍵盤が何の音かわかっているか?

音型で(模様読みで)読めるか?→へこんだ音型の頭がドならドシド、レならレドレとパッと頭に思い浮かぶか?

第〇線は何の音か感覚的にわかるか?→さらに、和音になった時に音と音の間隔がわかるか?

 

 音高だけでもこれだけのチェック項目を作れることがおわかりでしょうか?

この次の作業として、音高とリズムを統合させなければなりません。

そこまでできてもこのままではただ弾いている状態…他にも、記号を読み、②~④の項目を埋めていく作業が待っています。

曲を一曲弾くって、とってもすごいことのように思えてきませんか?

読めない!めんどくさい!となる前に、ウィークポイントをつかみましょう!

 

子どものタイプ別練習法

 では、読譜にとってどのような練習が効果的なのでしょう?

 例えば、うっかりさんや面倒くさがりさんはまず、楽譜を眺めて、気付いたことから書き込みをしてみるのはどうでしょうか?

さらに、練習方法自体を、ノーミスで3回連続弾けたらokなど、集中できるやり方に変えてみると良いかもしれません。

 

 自信がない子、鍵盤の把握がまだな子は、特になんということはない音の羅列でも、ねこふんじゃったでも、遊び弾きをたくさんしてみてほしいです!

もしできそうなら和音を弾いたり、移調をしてみたりするのも楽しいですよ。

 

 時間をかけてもなかなか弾けないタイプの子は、もしかしたら無理な手の使い方をしているかもしれません。

指番号を確認した上で、どこでくぐりどこで超えるのか、どこで縮んだり開いたりするのかを考えてみてください。

 

 または、元々の発達の一部が今のレベルに達していないことも考えられます。

幼児さんは上下の理解(紙の手前と奥)、高さの理解(つ、く、の字が逆転しがちな子)、五線がまだ複雑に感じることはあるあるで、この場合は成長を待つしかないこともあります。

できることから伸ばしていくと、その分強みができますよ!

 

 ちなみに、暗譜をしている、鍵盤を見て弾く子は要注意です。

成長し、曲が難しくなっていくに従い、一人での読譜が難しくなってしまう可能性があります。

なるべく手元を隠し、ある程度のブラインドタッチができるよう練習できると良いですね!

 

おわりに

 譜読みを進めていくには具体的に何に躓いているのか把握し、アプローチすることが重要です。

しかし、それでも壁にぶち当たってしまうことがあるかもしれません。

実は、私たちの脳には、言語野、運動野、感覚野、視覚野…はありますが、音楽野はありません。

音楽の能力は、他の目的のために既に発達を遂げた脳システムを利用して、または取り込んで、あるいは勝手に使って、たくさんのネットワークが関与することで可能となったもののようです。

なので、これらを駆使し、統合して使うのは極めて高度なことなのです。

どうにも難しく、挫けてしまいそうなことがあれば、寄り道したり、音を省いたり…さまざまに工夫して乗り切ることもできます!

一緒に考えてみましょう!

 

 ちなみに冒頭でちらりとアナリーゼ(楽曲分析)という言葉を出しました。

アナリーゼでおこなうことは、大きくわけて二つです。

音楽理論を使って楽譜を分析・読み解くことが一つ。

音楽史を通して作曲家の生きた時代背景から、作曲者の想いやメッセ―ジをくみ取ることで作品に対する見識を深めることがもう一つです。

何十年、何百年を超えてなお親しまれているクラシックを今、私たちが再現して楽しめるって素敵なことだと思いませんか?

この最終目的地に向かって、長い目で見て音楽を楽しめるよう、できることから少しずつ取り組みたいですね。