日記
対話のコツ
こんにちは、氷川台のピアノ教室 BLOOM講師の藤田です。
この度妊娠しまして、臨月の今、楽しみな気持ちを抱えながらそわそわと過ごしています。
幸い最後まで順調な経過を辿りましたが、それでも日常生活がガラリと変わり、世の中のお母さん・お父さんはすごい!と改めて尊敬の念を抱きました。
この産休を良い機会と思い、今まで100人以上ののお子さんと接してきた経験から、対話のコツについて見直し、まとめてみることにしました。
【目次】
対話の観点
能力は生まれつきのものではなく、努力によって後天的に伸ばすことができると信じている子、またはそのようなメッセージを定期的に伝えられた子はやり抜く力が強いそうです。
そのため、成果・能力・見た目よりも経過に言及したり、行動しようとした気持ちに対して具体的に声をかけることが重要とのこと。
例えば…
《褒め方のコツ》
①見たままを具体的に褒める。
②理由として、どんな努力や姿勢(気持ちや考え方)、やり方が良かったかを伝える。
(このとき、”探究力”、”実行力” 、”計画力”などに触れてあげる。)
③質問をたくさんする(「一番○○したのはどこ??」)
そのほか、できたことや良かったことを是非、ママはパパへ、パパはママへ伝えてみてください。
伝えてもらったパパ、ママにも褒めてもらえることで、お子さんの嬉しさもひとしお!
《伝え方のコツ》
①気持ちは否定せず(「そうなんだね!」「〇〇なんだ?」)
②以下を意識し、正しい行動を伝える。
◎反復・言い換え・明確化・要約
×批判・正論・命令・ジャッジ・話を逸らすこと
年齢別・対話のコツ
《0~1歳》
自分の行動をコントロールできない上、「〇〇しちゃだめ!」と言われても理解ができません。
自然な動きや行動を制限しない方が身体や脳の発達にとって良いと言われているため、危ないものは大人が予め対策しておきます。
《2~3歳》
イヤイヤ期が始まります。
この頃少しずつ言葉を理解できるようになってくるものの、理性をつかさどる脳の部位が発達していないため、なかなか従うことができません。
そもそも、我慢させる元を作らないようにし、習慣化すること、気持ちは認めながら物理的に行動を止めること、お手本を見せることを意識したいところです。
また、なぜなぜ期の「どうして?」には逆質問で返すと、想像力を働かせられるようになるそうです!
《4~5歳》
簡単なルールや約束を守れるようになります。
なるべく、子どもの行動を先回りして命令するのではなく、ヒントで促してあげたいところです。
お教室では、テキストを出して、手洗いをすることを「テキストを出してね」「手を洗おうね」と言うより、「あれ?何か忘れてない?ワーク丸つけたいなー!」「おうちに帰った時やお教室に来たらまずすることはなんだっけ?」と問いかけるようにしています。
また、この時期の「どうして?」「〇〇ってなに?」には、なるべく実体験を伴うように(図鑑や絵本で調べてみるのもOK)一緒に調べると探求心がさらに刺激されます。
こんなとき…タイプ別声掛け
《落ち着かない》
・そわそわ動き回って危ないとき…子どもの視野は大人の3/5。
「気を付けて!」「ちゃんと見なさい」と言ってしまいたくなることもありますが、実はそもそも”見えていない”ため、一度危ないものへ注意を向けさせる。
・「ねぇねぇきいて」と話に割って入る…「○○が終わったらね」と具体的に指示する。
又は仕事や家事をしている間だけ出てくる特別なおもちゃを作る。
お教室ではやることを提示しています。(「シール貼って待っててね」「読書タイムにしようね」)
《うっかりさん、せっかちさん》
・やりっぱなしをしたり、約束をうっかり忘れてしまったら…最初からやり直しをさせて習慣化を目指す。
・上の空の時…話す前に「今からお話しするね」「お話が終わったらクイズ出すからちゃんと聞いていてね」
・「だから言ったのに~」→「どうしたらうまくいったかな?」
《ゆっくりさん》
・「何やってるの!」→「あとどれくらいかかる?」
・「どうしてできないの!」→「やり方わかる?」
・やってもできなかったことでも、「チャレンジしてみるのかっこいいよ」 「昨日よりうまくいったね」 「一生懸命やっていたね」
《こだわり、繊細さん》
・泣いたり、言いたい言葉が出ない時…気持ちを代弁して寄り添う
・文字のなぞり書き中ずれて神経質になる→「はみ出たのが嫌だったんだね、次はゆっくり書いてみようか」
《支度や片づけ、宿題をやり始めるのが遅い》
・「お片付け進んでないね。何かあった?」→ 片付けの終わりが10として、6まで頑張ったときに「まだ残ってるよ」「全部片付けて」じゃなく、まずは「きれいになってきたね!」「がんばってるね」と6をほめる。
それから「残りもできそうだね!」と4を応援する。
それでも進まない時はバケツリレー方式にしたり、「手伝うね」など、大人が自分の時間を犠牲に手間暇のかかる関わり方をした方が効果的!
・「急いでー」→「早くいくと〇〇できるよ!」
おわりに
レッスン中ではこれ以外にも、ほしい答えを誘導したいとき、逆に理解力を試したいときなどに、心理学的メカニズムやバイアスを利用しながらその子に合わせて会話を行っています。
そういえば、お教室でよく聞かれる会話として、「こんにちはは?」「お礼言えたの?」があります。
実はこれは人見知りの一種か、挨拶することが嫌なのではなく、挨拶は大人みたいで背伸びしたようで恥ずかしいだけ。という理由があるそう!
こんな時は、「なんて言うんだっけ?」「一緒に言おう!」とお声をかけてくださるとお子様も言いやすくなるかもしれませんのでぜひ試してみてください。
さて、ここまでつらつらと書いてきましたが、実際の育児ではうまくいかないことも多いことと思います。
かくいう私も、いくら気を付けようと心がけても、出産後、実際にどんな親になれるのか正直わかりません…。
大人とはいえ一人の人間ですから、「今日はうまく接してあげられなかったな…」と思っても、それがその日出せる限界値の100点だったのかもしれません。
次からまたできることをしてみよう!というような気持ちで取り組んでみてください。